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Appearance
アルミの表面に火をあてる。
アルミはその熱と重力によって次第に固まったその存在を震わせ、移動を始める。
物質の移動によって生まれるかたちを積み重ね、その空間の空気や光といった普段そこに在ることを忘れているものの存在と呼応し、そこに現わしていく。
押し寄せる波が創り出す泡立つ波打際も、空に流れ続ける雲の姿や大気も、私たちの生きる世界が「移動」によって成り立っていることを意識する時に得ることのできる体験的な感覚は、私たちの生きる世界が常に動き続けていることに気づかせてくれる。一方で、金属(アルミニウム)というものに対する私たちの「不変」という安心感は、人間社会に対するそれと似ているように感じる。
Appearance seriesではアルミニウムを素材とし、熱と重力を利用して質量を移動させていくことによって固まった物質を空間へほどいていく。製品として板状に成形され、フラットだったアルミは動いていくことで凹凸が生まれ、呼吸し始める。そこには光と影、そして空気を孕み、緩やかに移り変わっていく周囲の世界と呼応していく。私はさらにそれらを流れる光や空気と交わらせ、空間へと展開していく。それは私の意識を周囲の世界へと浸透させていくことであるともいえる。
時間とともに移り変わっていく姿は意識を周辺へと拡げ、私たちが今ここに生きていること、そこに存在していることを自覚させる。私はこのシリーズを通して、ただ私たちの前にある世界と向き合う為のきっかけを創り出す。






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