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Receding Memories ぼやけていく記憶
私はこの世界が変わり続けていることを知っている。それでも私は、変わらないものとしてそこにある存在を見てしまう。そのあいだに生まれる隔たりが、「Receding Memory」シリーズの制作の出発点となっている。
私は、木やその根に金属を巻き付け、その存在をなぞるように制作を行う。制作が進むにつれ、木は熱によって燃え、崩れ、その姿を変えていく。しかし、その変化の過程を私は見ることができない。最後に残るのは、私の記憶のなかにある姿と、そこに確かに存在していたという事実、そして私が関わったという痕跡だけである。
時間は、私の認識とは関わりなく流れ続ける。存在は変化を止めることなく、私自身もまた、その変化を生み出す一つの因として世界に関わり続けている。私にとって彫刻とは、失われた姿を留めるものではない。過去の出来事が現在に作用し、その因が未来へと働き続ける時間の連なりのなかで立ち上がる、存在の在り様を顕す試みである。

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