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STATEMENT

私の制作の根底には「人間が生きることとは何か?」という問いがある。その大きな問いから派生的に生まれてくるいくつもの問いが、一つ一つの作品の起点となっている。
 素材と向き合い、制作している時間は作品の起点となっている問いに対する答えを模索、追求していく時間だ。その中で得ることのできる体験的な感覚は、実体験として私の中に積み重なっていく。延々と繰り返される行程を経て、頭の中にある理屈や構想は私を離れ、逆に手の中にある素材や作品の方に言葉が現れはじめる。私はその言葉を綴り、一つの彫刻作品として存在させていく。そうして存在を得た作品は、事実として立ち上がり、現実の中で対峙する。それは「人間が生きることとは何か?」という問いと改めて向き合うことと同じ意味をもつことのように感じている。
 一つの明確な言葉を持つ答えでなくとも、それぞれの答えに続く道に成りえる彫刻を創り出していきたいと考えている。
 人間の価値そのものが揺らぐような出来事が多発している。その根底には、現代の社会構造や状況、コミュニケーションの方法や生活基盤の変化、文化や教育の在り方などによる人間の持つ価値観そのものの変容がある。「人間とは何なのか?」「生きるということは何なのか?」、命について、人のあり様について改めて考えていかなければならない時代になっていると感じる。私は私たち人間が今そこにいるということ、生きるということことの意味について見つめ、現していきたい。

I think about “to LIVE”. I continue to make sculpture works mainly made of metal.I am searching for the answer of the theme by accumulated feelings, emotions, and thoughts gained during the production in materials. Beside, I hope that the theme itself will exist as a work.
 

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