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私にとって世界は、単純でも透明でもなく、むしろ完全に理解することを拒むような複雑な現実です。 特に2011年以降、 自然の力や目に見えない存在、そして社会そのものの不確かさを強く意識するようになりました。 様々な天災や人災によって風景は大きく変わり、人の営みが脆くも力強いことを私は繰り 返し目にしてきました。 一方で、 人が文化や思想を否定し消していく姿には強い嫌悪を覚えます。 無常の世界において変化は必然ですが、 何を受け入れ、何 に抗うのかは私たち自身が選んでいくべきだと思っています。 私はそこに 「人間らしさ」を感じているのです。そして、残したことも消したことさえも、確かに「そこにあった」 という事実が記録され、 紡がれていくべきだと考えています。
変化の只中にある今だからこそ、私たちの在り様を見つめ直し、「生きるとは何か」を問い直すことができるのではないでしょうか。 私は人間を世界の一部 と捉え、切り離せない存在として、作品を通じて 「境界」「時間」「関係」 などの視点からその在り様を探っています。
本郷芳哉個展「在り様」2025年より抜粋






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